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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻11号

1989年11月発行

文献概要

症例

特異な形態を呈した原発性びまん浸潤型大腸癌の1例

著者: 時田和彦1 高升正彦1 布施好信1 児玉正1 山岸久一2 山中祥弘3

所属機関: 1京都府立医科大学第3内科 2京都府立医科大学外科 3国保京北病院

ページ範囲:P.1303 - P.1306

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要旨 患者は58歳の男性で,主訴は下痢.1987年5月より,1日5~6回の下痢が出現したため,精査目的に入院した.注腸X線検査を施行したところ,下行結腸からS状結腸にかけての24cmの範囲に,玉石様の凹凸不整と全周性の狭窄を認めた.内視鏡でも同様の所見で,隆起部からの生検でadenocarcinomaの診断を得たため,結腸左半切除術を施行した.切除標本組織所見では,病変部の粘膜面は山田Ⅰ型~Ⅲ型の隆起を呈する癌組織と,介在する正常上皮から成り,粘膜下層を中心に著明な脈管侵襲を認め,中分化腺癌と診断した.Ⅳ型大腸癌の中でも,このような形態を呈するものは特にまれで,各種炎症性腸疾患との鑑別が必要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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