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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻12号

1989年12月発行

文献概要

今月の主題 小さな未分化型胃癌―分化型と比較して 主題

微小未分化型胃癌の発生母地と発育進展様式―分化型癌と対比して

著者: 柳澤昭夫1 加藤洋1 菅野晴夫1

所属機関: 1癌研究所病理

ページ範囲:P.1335 - P.1343

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要旨 未分化型胃癌の発生母地(周囲粘膜)には,分化型に比べて明らかに腸上皮化生の発生頻度が低かったが,約40%の症例において少なくともどこかに腸上皮化生がみられた.未分化型癌を印環細胞癌と低分化腺癌に分けて検討すると,胃底腺領域に発生した印環細胞癌の発生母地は全例,化生や偽幽門腺のない胃底腺粘膜であったが,低分化腺癌では,大多数が化生や偽幽門腺を含む粘膜であった.未分化型の発生母地は印環細胞癌と低分化腺癌で異なると考えられた.胃癌の発生初期における発育進展様式を肉眼的立場からみると,未分化型は1mm前後は平坦型であり,2~3mmを超えて陥凹型となり,大きさの増大と共にこの傾向が顕著になった.分化型は,最初から陥凹型を示すものが多く,5mmまでは陥凹型か平坦型で,隆起型は5mmを超えてから増加した.組織学的立場からの考察も行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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