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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻12号

1989年12月発行

文献概要

今月の主題 小さな未分化型胃癌―分化型と比較して 主題

小さな未分化型胃癌のX線診断

著者: 西俣寛人1 政信太郎1 瀬戸山史郎2 堀雅英3 西俣嘉人1 入佐俊昭4 西俣寿人1 美園俊明1 中村勇一1 宇留島一郎1 新山徹美1 相良有一5 有馬暉勝1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第2内科 2鹿児島大学医学部臨床検査医学講座 3今村病院 4入佐内科胃腸科 5相良外科胃腸科

ページ範囲:P.1353 - P.1366

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要旨 3cm以下の未分化型胃癌89例(早期癌65例,早期類似進行癌8例,副病巣16例)の特徴を粘膜ひだのない領域と,ある領域に分けてX線診断の立場より検討した.(1)粘膜ひだのない領域の病変のX線診断は陥凹面と陥凹縁より5型に分類でき,各々のX線像で,深達度,潰瘍の合併率が推定できた.sm以深に浸潤の可能性が高く,潰瘍の合併率の高いX線像は1.1~2.0cmで多く発見された.m癌が多く,潰瘍の合併が少ないX線像は2.1~3.0cmのものが多く発見されていた.病変の存在部位によって描写されるX線像に特徴があった.(2)粘膜ひだの存在する領域の病変のX線像は,陥凹面と粘膜ひだより3型に分類でき,各々のX線像で深達度,潰瘍の合併率が推定できた.この領域の病変は1.1~2.0cmのものが多かった.(3)粘膜ひだ集中とニッシェが描写されているX線像は全領域に存在し,sm以深へ浸潤している可能性が高かった.(4)1.1~2.0cmの大きさの病変群の中で,切除標本で病変を指摘できない病変が7病変あり,4病変は術前にX線学的に診断されており,X線診断能は向上しているものと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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