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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻12号

1989年12月発行

今月の主題 小さな未分化型胃癌―分化型と比較して

主題

小さな未分化型胃癌の内視鏡診断

著者: 長南明道1 望月福治1 安藤正夫1 豊原時秋1 長野正裕1

所属機関: 1仙台市医療センター消化器内科

ページ範囲:P.1367 - P.1377

文献概要

要旨 1982年1月から1988年12月までの7年間に当センターで切除された早期胃癌は549例645病巣であった.その中で,10mm以下の小さい未分化型癌について,11~20mmの未分化型癌36病巣および10mm以下の分化型癌85病巣と対比しながら,臨床病理学的特徴および内視鏡像を中心に検討し,以下の結論を得た.(1)10mm以下の小さな未分化型癌は13例14病巣で,10mm以下の早期胃癌99病巣の14.1%であった.(2)臨床病理学的には比較的若年男性のM領域の単発Ⅱc型癌が多く,深達度はm癌が多かった.(3)m癌のうちからUlを伴いやすく,粘膜内浸潤は中間・深層型が多かった.また,分化型癌に比べ,小さいうちからsm浸潤しやすい傾向があり,sm内は浸潤性に発育する傾向があった.(4)内視鏡的には“発赤斑を伴う褪色”が最も重要な所見と考えられた.(5)胃底腺領域の小さな未分化型癌に特徴的な内視鏡像は見出せなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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