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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻12号

1989年12月発行

今月の主題 小さな未分化型胃癌―分化型と比較して

主題

背景粘膜からみた小さな未分化型胃癌の特徴

著者: 細井董三1 西澤護1 野本一夫1 岡田利邦1 山田耕三1 志賀俊明1 大倉澄子1 潮崎明1 岡野憲義1 下野健治1 蓮尾友伸1 大村秀俊1

所属機関: 1東京都がん検診センター

ページ範囲:P.1387 - P.1397

文献概要

要旨 (1)長径20mm以下の病変を対象として,未分化型早期胃癌74例82病変を分化型早期胃癌143例166病変および進行癌25例25病変と対比させ,その臨床病理学的特徴を検討した.(2)分化型早期癌に比べて未分化型早期癌は女性に圧倒的に多く,平均年齢も低いが,Ul合併率およびsm率ははるかに高率であった.(3)未分化型早期癌はその背景粘膜の違いによって性状が異なる.F領域のものは,進行癌との性別,平均年齢,分布などの対比から,linitis plastica型癌へ発育進展する可能性が高いことが示唆され,Ⅰ領域のものは,Ul合併率,sm率ともに最も高く,臨床的に早期発見しやすい形態を呈するものが多い.一方,P領域のものは他の領域の未分化型癌と違って,臨床病理学的に分化型癌に類似した性質を帯びている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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