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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻12号

1989年12月発行

文献概要

今月の主題 小さな未分化型胃癌―分化型と比較して 主題症例

胃体中部後壁に発生したⅡc型未分化型微小胃癌の1例

著者: 丸山大介1 美園俊明1 西俣寛人1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1411 - P.1414

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要旨 30歳女性の留体中部後壁に発生したⅡc型末分化型微小胃癌の1例を報告した.ルーチンX線検査では異所チェックであったが,内視鏡検査で胃体中部後壁に,中心に不整形の淡い発赤を有する褪色調の浅い陥凹と周囲の粘膜異常を認めた.術前のX線検査では病変の質的診断は不可能であったが,術後のレントゲノグラムでは,不整形の溝状ニッシェ,皺襞の中断などの典型的な早期胃癌の所見が認められた.切除標本上癌の大きさは長径3mmで深達度はmであった.この症例はX線的にも内視鏡的にも診断が容易な部位に存在し,術後の病理所見と術前所見との対比が容易で,未分化型微小胃癌のX線所見,内視鏡所見を正確に検討できた症例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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