icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻12号

1989年12月発行

文献概要

今月の主題 小さな未分化型胃癌―分化型と比較して 主題症例

微小胃癌の2例―未分化型癌と分化型癌

著者: 甲田証12 喜納勇2

所属機関: 1浜松医科大学第1内科 2浜松医科大学第1病理

ページ範囲:P.1415 - P.1419

文献購入ページに移動
要旨 臨床的に発見された未分化型癌と分化型癌の2例を呈示し,所見の対比検討を行った.未分化型癌症例の患者は59歳,女性.10年前から十二指腸潰瘍の診断のもとに近医で毎年内視鏡検査を受けていたが,胃体部病変を指摘されて当院を紹介された.胃X線,内視鏡検査で胃体上部後壁に浅い不整形の陥凹を認め,生検組織検査で未分化癌と診断され胃亜全摘術を施行した.癌は,大きさ4mmのadenocarcinoma mucocellulare(sig)であった.分化型癌症例の患者は70歳,女性.胸部異和感を主訴に近医を受診し当院を紹介された.胃X線,内視鏡検査で前庭部後壁に小さい陥凹性病変を認め,生検組織検査で分化型癌と診断され胃亜全摘術を施行した.癌は,大きさ5mmのadenocarcinoma tubulare,well differentiatedであった.2例を対比すると,共に陥凹性病変であったが,内視鏡的に,未分化型癌は境界鮮明で褪色調を呈し,分化型癌は境界やや不鮮明で発赤調を呈した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?