icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻12号

1989年12月発行

文献概要

症例

胃にびまん性ポリポーシスがみられたPeutz-Jeghers症候群の1例

著者: 岡田光男1 八尾恒良1 今村健三郎1 二見喜太郎2 有馬純孝2 村山寛3 小田秀也1 前田和弘1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院内科・消化器科 2福岡大学筑紫病院外科 3福岡大学医学部第1病理

ページ範囲:P.1427 - P.1434

文献購入ページに移動
要旨 患者は50歳,女性.上腹部痛,下血を主訴として当科入院.本例は下口唇,手指,足底部に色素沈着を認め,十二指腸,小腸および大腸にはそれぞれ山田Ⅱ~Ⅳ型のポリープが多発しており,Peutz-Jeghers(P-J)症候群と診断された.本例の特異な点は胃の穹窿部から幽門前庭部までびまん性に山田Ⅰ~Ⅱ型の小ポリープが密集していたことである.このような報告は本邦で3例目で極めてまれである.本例は胆囊内に2個の結石と回腸にはMeckel憩室を合併していた.組織学的に下行結腸ポリープはP-Jポリープから癌化したと思われる粘膜癌であり,回腸のポリープはfocal cancerが疑われた.その他のポリープはすべてP-Jポリープに一致した組織所見であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?