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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻12号

1989年12月発行

文献概要

症例

炭粉沈着症により腫大したリンパ節が食道腔内に露出し内視鏡的に食道原発性悪性黒色腫が疑われた1例

著者: 篠田雅幸1 高木巖1 種広健治2 吉井由利2 鈴木亮而3

所属機関: 1愛知県がんセンター胸部外科 2愛知県がんセンター消化器内科 3愛知県がんセンター臨床検査部

ページ範囲:P.1435 - P.1438

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要旨 患者は73歳,女性.胃ポリープで毎年内視鏡的経過観察を続けてきたが,1987年の定期検査で,食道の上門歯列より25cmの部位に黒色の色素を有する表面平滑な限局性の腫瘤性病変が認められた.病変は中心に潰瘍を伴っており,内視鏡的に食道原発性悪性黒色腫が疑われた.生検組織は炭粉を含む炎症性肉芽で悪性所見は認められなかったが,臨床経過,UGI,CTなどで腫瘍性病変が否定できなかったため開胸術を施行した.手術所見としては,腫大した気管分岐部のリンパ節が直接食道筋層を貫き,食道腔内に露出していたことが判明した.病理組織検査では炭粉沈着と強い硝子化を伴う瘢痕様リンパ節であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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