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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻12号

1989年12月発行

文献概要

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編集後記

著者: 喜納勇

所属機関:

ページ範囲:P.1444 - P.1444

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 微小胃癌を5mm以下(ちなみに他臓器も5mm以下にする理由は全くない)とすると,臨床的にdetectできる未分化型微小癌の数が極端に減ってしまうという悩みは今回の特集でも同じ情況であった.その証拠には,症例は別として,主題では5mm以下で分化型癌と対比して未分化型癌を論じた論文はなかった.その理由は何だろうか.detectしにくいrだけなのだろうか.柳澤らが明らかにしているように,未分化型癌は2~3mmまではⅡbあるいはそれに近いという.これではdetectできない.これからは推測になるが,2~3mmを越すと発育が早くなってすぐ5mmを越してしまうのではないだろうか.

 定義のことになるが,分化型癌・未分化型癌というのは実は鳥瞰的な発想である.信州は山国であるというのと同じである.信州も訪れてみれば結構広い平野がある.したがって,虫瞰的にはこれでは不十分である.そんな虫の心を慰めてくれた論文が柳澤・石黒論文であろうか.これらを読むと,未分化型と分化型癌の境はどこか,中間型混合型はどうなるのか,腸上皮化生の強い胃底腺領域は胃底腺領域と呼ばないのか,定義そのものにもいろいろ問題があるようである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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