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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻2号

1989年02月発行

文献概要

今月の主題 大腸腺腫と癌(1) 主題

大腸腫瘍の分布に関する検討

著者: 長廻紘1 長谷川かをり1 飯塚文瑛1 屋代庫人1 横山聡1 太田代安律1 佐藤秀一1 北畠滋郎1 鈴木茂1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.131 - P.145

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要旨 total colonoscopyの症例により大腸腫瘍(腺腫・早期癌)の分布を検討した.591人に1,075個の腫瘍が発見され,そのうち腺腫は82%を占めた.5mm以下の小腫瘍は広基性腺腫が圧倒的に多いので主として6~20mmの腫瘍について検討した.部位と形態の相関については腺腫でも癌でも似た傾向がみられた.平均値に比べて直腸では扁平腫瘍と広基性腫瘍が多いが,その中では扁平腫瘍で癌が多く腺腫はむしろ少なかった.右側結腸では扁平腫瘍が多く,癌と腺腫に差はみられなかった.total colonoscopy例以外のものも含めた早期癌についてみると,直腸と右結腸にはくびれのない腫瘍(扁平・広基)が多く,左結腸ではくびれのある腫瘍(有茎群)が84%と圧倒的に多かった.m癌とsm癌を比べると扁平腫瘍がsm癌で部位を問わず多く,特に直腸と右結腸でその傾向が強かった.扁平腫瘍が診断されるようになってきたが,まだ発見されるものは一部に限られているようにみえる.そういったコロノスコピーの弱点を克服するのに最近普及してきた電子スコープおよびカラーコレクターなどの偽カラー法を用いた方法が期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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