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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻2号

1989年02月発行

文献概要

今月の主題 大腸腺腫と癌(1) 主題症例

3年9か月で大腸腺腫より早期癌へ進展したと思われる1例

著者: 永田邦夫1 成沢林太郎1 植木淳一1 富沢峰雄1 上村朝輝1 渡辺英伸2

所属機関: 1新潟大学医学部第3内科 2新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.192 - P.196

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要旨 患者は79歳,男性.1982年1月初旬の注腸検査で上行結腸,横行結腸およびS状結腸に2~3mmの隆起性病変を,おのおの1個ずつ認めた,内視鏡検査でも同様の病変を認め,生検ではいずれも管状腺腫であった.約3年9か月後の内視鏡検査では,上行結腸のポリープは前回に比し,ほとんど変化を認めず,生検でも管状腺腫であったが,横行結腸およびS状結腸のポリープはいずれも6,7mmと約2倍に増大し,形態的にも無茎から亜有茎または有茎に変化していた.増大した2つのポリープをポリペクトミーにより摘除し,病理組織学的検索を行ったところ横行結腸のポリープは管状腺腫であったが,S状結腸のポリープは管状腺腫の一部に粘膜内にとどまる高分化腺癌を認めた.S状結腸の腺癌は腺腫を母地として発生したものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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