icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻2号

1989年02月発行

文献概要

今月の主題 大腸腺腫と癌(1) 主題症例

4年間経過観察した直腸のⅡa集簇様病変の1例

著者: 門馬久美子1 田島強2 岡部聡3 森武生4

所属機関: 1東京都立駒込病院内科 2東京都立駒込病院内視鏡科 3東京都立駒込病院病理科 4東京都立駒込病院外科

ページ範囲:P.197 - P.202

文献購入ページに移動
要旨 68歳,男性の直腸にみられた,全体として管腔の約半周を占め,大きさに比し隆起の背が低く,その表面が凹凸不整で,大小不同の顆粒~結節状の小隆起が集簇する,Ⅱa集簇様の隆起性病変を経験した.この病変の腸管壁の伸展性は良好であり,隆起の表面には明らかなびらんや潰瘍の形成はなく,生検ではtubular adenoma,Group 3であり,癌と診断できなかった.患者の希望もあり半年ごとの検査で経過観察したが,4年後には,病変の中央と周囲とでは発育速度が異なっており,個々の顆粒の増大が見られ,生検組織像でも癌と確診され,低位前方切除術を施行した.病理組織学的には全体が深達度mの高分化腺癌であり,その一部にadenoma with severe dysplasiaと鑑別の困難な所もあった.本症例の注腸X線像,大腸内視鏡像および組織所見の経時的な変化について報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら