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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻2号

1989年02月発行

文献概要

症例

胃過誤腫様ポリープの1例

著者: 加藤孝1 佐々木賢二1 佐藤忍1 岸井利昭1 木村泰三2 平井淳2 吉田宗純2 藤原国芳2 福永昇3

所属機関: 1横浜船員保険病院内科 2横浜船員保険病院外科 3横浜船員保険病院病理

ページ範囲:P.211 - P.216

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要旨 患者は76歳,男性,健康診断の胃X線検査で胃前庭部小彎に,山田Ⅲ型隆起性病変を指摘され,当院へ紹介される.胃内視鏡所見にて胃前庭部前壁にbridging foldを伴う無花果様の隆起性病変を認めた.表面は平滑で,中心部にやや陥凹を伴っていた.粘膜下腫瘍を疑い,開腹術を施行し,腫瘤(3.2×2.0×2.5cm)を摘出した.病理学的に,本腫瘤の表面には,その中心部にびらんがみられるが,概ね平滑な粘膜で覆われていた.割面では粘膜下より漿膜下にわたり大小の囊胞形成がみられ,中に粘稠な分泌物を含んでいた.組織学的には粘膜下における腺窩状腺管および幽門粘液腺などの腺腫様増殖と腺腔の囊胞状拡張が特徴的で,更に一部にはBrunner腺の異所的介在もみられた.これらの被覆上皮細胞には腸上皮化生が著明であるが,異型性は認められない.間質は線維性結合織と不規則に増殖した平滑筋束より構成されており,一部にはfibro-angiomatousな増殖もみられた.なお,囊胞状に拡張した腺管壁の破綻に伴う二次的な炎症性反応を伴っていた。以上の所見より本腫瘤はいわゆるinverted hamartomatous polypの像に一致するものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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