icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻4号

1989年04月発行

今月の主題 胃・十二指腸出血の非手術的治療

主題

内視鏡的止血法の止血効果判定―特に消化性潰瘍を中心に

著者: 多田正弘1 河内山高史1 重枝正樹1 川野博章1 広田和子1 苅田幹夫1 柳井秀雄1 岡崎幸紀1 竹本忠良1 松田彰史2 永富裕二3 野村幸治4 大下芳人5 河村奨6

所属機関: 1山口大学医学部第1内科 2下関国立病院 3長門総合病院 4山口済生会病院 5下関市立病院 6山口労災病院

ページ範囲:P.385 - P.394

文献概要

要旨 消化管出血に対する内視鏡的止血法の効果を消化性潰瘍において検討した.薬剤のみで治療された症例,内視鏡的エタノール局注法ならびにレーザー照射による治療例を,治療前ならびに治療後48時間以内の内視鏡所見の比較により検討した.薬剤治療群では,86例中19例(22.1%)で再出血し,7例(8.1%)では手術が施行された.エタノール局注群では,47例中9例(19.1%)で再出血し,4例(8.5%)は手術を施行した.レーザー照射群は,16例中5例(31.2%)で再出血し,4例(25%)に手術を施行した.再出血例では,内視鏡的止血後の早期の内視鏡検査で新鮮な凝血塊の付着,露出血管などの所見がみられた.また,持続する露出血管の所見は止血効果不良のサインと考えられた.内視鏡的止血法の効果は,露出血管の状態などの局所の器質的変化ならびに背景の全身状態に左右される.その止血効果は,止血法施行後の早期の内視鏡検査で明らかにすべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら