icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻4号

1989年04月発行

文献概要

研究

食道mucosal bridgeの成因,形成機序を中心とした自験6例の解析と文献的考察

著者: 粉川隆文1 市川寛1 北住清治1 岸泰三1 田井中憲三2 竹村俊樹2 森田豊2 伊谷賢次2 吉川敏一2 福本圭志2 近藤元治2

所属機関: 1舞鶴赤十字病院内科 2京都府立医科大学第1内科

ページ範囲:P.423 - P.432

文献購入ページに移動
要旨 6例の食道mucosal bridgeを経験し,うち3例で,その形成過程を内視鏡的に経過観察しえた。原因は内視鏡的食道静脈瘤硬化療法2例,食道カンジダ症,Barrett食道,逆流性食道炎および原因不明各1例であった.食道mucosal bridgeは極めてまれな病態で,過去15例の文献報告があるにすぎず,自験6例を加え臨床的検討を行った.原因は後天例が14例と多く,すべて炎症ないし潰瘍病変に続発して形成されていた.形成機序としては,壁在性のmucosal bridgeでは,潰瘍底が粘膜下で交通し,取り残された粘膜がmucosal bridgeを形成する説,また食道壁の前後方向のmucosal bridgeでは,炎症による肉芽がこの方向に癒合する説が有力であり,pseudopolypが関与する炎症性腸疾患におけるmucosal bridgeの形成機序と若干の相違があるものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら