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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻4号

1989年04月発行

文献概要

症例

限局性腸上皮化生粘膜に囲まれて存在した小さなⅡb型早期胃癌の1例

著者: 中野實1 松崎修2 藤本昌雄2 稻守重治3

所属機関: 1市立伊勢総合病院消化器センター 2市立伊勢総合病院消化器センター内科 3市立伊勢総合病院消化器センター外科

ページ範囲:P.433 - P.438

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要旨 患者は37歳,女性.2年半前から胃ポリープで経過観察中.胃内視鏡検査で体下部後壁に2~3cm大,境界鮮明,表面平滑な褪色域を認め,生検で印環細胞癌が得られた.胃X線検査では同部位に周囲と比ベバリウムの付着性とアレア像とが異なった領域がみられた.切除胃では体下部後壁に,径約25mmのわずかに褪色した領域があり,周囲粘膜との高低差はない.組織学的には癌は大きさ14×7mm,不整星芒状,粘膜内に限局した印環細胞癌で,平坦なⅡb型早期胃癌であり,retrospectiveにX線・内視鏡像を見ても癌の範囲を正しく指摘することは困難であった.またこの癌巣の周囲に限局して腸上皮化生の範囲が認められ,内視鏡的褪色域とほぼ一致した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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