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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻5号

1989年05月発行

今月の主題 腸管の悪性リンパ腫(2)

主題症例

multiple lymphomatous polyposis類似の消化管病変を認めた全身性悪性リンパ腫の1例

著者: 王恒治1 前田和弘1 野見山祐次1 望月祐一1 岡田光男1 八尾恒良1 溝口幹朗2 菊池昌弘2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院内科消化器科 2福岡大学医学部第1病理

ページ範囲:P.547 - P.552

文献概要

要旨 患者は59歳男性で上腹部不快感を主訴とし来院.全身の表在リンパ節腫脹と軽度の低蛋白血症を認めたが,白血球数・分画に異常はなかった.消化管X線および内視鏡検査で胃には1個の粘膜下腫瘍,小腸・大腸には微小な多発性ポリープ病変を認めた.リンパ節生検標本と各消化管病変の生検標本から異型リンパ球のびまん性浸潤増殖がみられ,非ホジキン悪性リンパ腫と診断した.VEPA療法で胃病変の著明な縮小および小腸・大腸のポリポーシスの消失を認めた.本例は形態学的にはMLPと考えられるが,従来報告されているMLPの中にも続発性のリンパ腫が含まれている.以上よりMLPの疾患概念の再検討が必要と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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