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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻5号

1989年05月発行

文献概要

今月の主題 腸管の悪性リンパ腫(2) 主題症例

大腸原発悪性リンパ腫を併発した潰瘍性大腸炎の1例

著者: 富永雅也1 渕上忠彦1 岩下明徳2 川元健二3 桑野常文1 米湊徹4

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2松山赤十字病院病理 3松山赤十字病院放射線科 4米湊内科胃腸科

ページ範囲:P.553 - P.560

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要旨 13年間の病悩期間を有する潰瘍性大腸炎に大腸原発悪性リンパ腫を併発した1例を経験した.患者は37歳,男性.咳,腹満感,全身倦怠感,上腹部痛,体重減少を主訴として入院.注腸造影でback wash ileitisを伴う全大腸型の潰瘍性大腸炎の所見に加え,横行結腸に径6.5cm大の全周性の潰瘍形成を認めた.潰瘍面の周囲粘膜への移行はなだらかであり,潰瘍部の腸管腔はむしろ拡張していた.患者は入院約1か月後に死亡し,剖検で全結腸型の潰瘍性大腸炎に併発した大動脈瘤型の横行結腸原発悪性リンパ腫(diffuse,large cell type)と診断された.同様の本邦文献報告はなく,21例の海外報告例と比較検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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