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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻5号

1989年05月発行

今月の主題 腸管の悪性リンパ腫(2)

主題症例

IPSIDとの鑑別に苦慮した十二指腸球後部の髄外性形質細胞腫の1例

著者: 柳澤善計1 成澤林太郎1 秋山修宏1 阿部実1 富樫満1 植木淳一1 青柳豊1 上村朝輝1 朝倉均1 本間照2 岩渕三哉2 渡辺英伸2

所属機関: 1新潟大学医学部第3内科 2新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.575 - P.580

文献概要

要旨 患者は73歳,女性.20年前に特発性門脈圧亢進症で脾臓摘出術ならびに食道離断術が施行されている.1987年8月,食道静脈瘤の経過観察のため上部消化管内視鏡検査を施行した際,十二指腸球後部にひだの腫大と粘膜面の顆粒状変化を認めた.同時に行った生検で(immunoproliferative small intestinal disease((以下IPSID)の疑いが持たれ,小腸造影,注腸造影が施行されたが,上記のひだの腫大は十二指腸球後部に限局していることが確認された.入院後の諸検査と再生検から,IPSIDではなく,形質細胞腫と診断された.全身の系統的な検索で偶然,盲腸に癌が発見されたため,回盲部切除術がなされ,その際の腹腔内の検索でも,形質細胞腫は十二指腸に限局していることが確認された.合併疾患との兼ね合いから現在無治療で経過を観察中であるが,1年4か月を経ても病変に変化は認められない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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