icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻5号

1989年05月発行

症例

直腸原発悪性リンパ腫の1例

著者: 諸富立寿1 下田悠一郎2 宮本祐一3 岡直剛1 内田哲4 井口潔5 森松稔1

所属機関: 1佐賀県立病院好生館病理検査科 2佐賀県立病院好生館放射線科 3佐賀県立病院好生館外科 4佐賀県立病院好生内科 5久留米大学医学部第2病理

ページ範囲:P.581 - P.586

文献概要

要旨 74歳,女性.排便時下血を主訴として近医を受診し,直腸腫瘤を指摘され当院入院.注腸造影,内視鏡検査で歯状線直上に,Borrmann 2型様の腫瘍を認めた.術前の数回にわたる生検においても,良悪性の確定診断ができず,直腸切断術を施行した.切除標本では腫瘍は2か所(5×5cm大と,0.8×0.8cm大)に認められ,stageⅠであった.病理組織学的には,小型~中型の異型に乏しいリンパ球のびまん性浸潤を固有筋層まで認めた.介在する形質細胞の胞体内免疫グロブリンではmonoclonalityは証明されなかった.手術時採取した腫瘍部単核浮遊細胞の細胞膜表面形質では,BlとIL-2Rが陽性であった.以上から直腸原発の悪性リンパ腫で,組織分類(LSG)からはびまん性中細胞型(B細胞性)と診断した.また,肛門側の小病変も同様の悪性リンパ腫と診断した.術後10か月経過した現在,再発は認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら