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書評「大腸疾患診断の実際 全2冊」 フリーアクセス
著者: 八尾恒良1
所属機関: 1福岡大学
ページ範囲:P.692 - P.692
文献購入ページに移動どうしてかと考えてみて気がついた.この本はまさに著者そのものである.著者の思考は“診断の実際”にとどまらず,“診断”を通じてみた大腸疾患の本質を問題としているのだ.著者は,長年月消化管のX線診断に従事してきた.そして従来にない微細なX線診断技術によって見出される微細な所見の解析から疾病の本質に思考をめぐらし,新知見にとどまらず,真理を捉えんとしているのだ.だからこの本では華麗で精緻なX線写真を中心にすえ,これを説明するための道具に内視鏡写真が使われ,マクロ,ミクロが用いられている.そして,その思いが“X線病態生物学”なる新造語を生み出している.このことは,本書の中でも顆粒集籏型病変や大腸癌の深達度診断,発育経過,大腸ポリポーシスやcancer family syndromeの項をみれば,非常によく理解できるであろう.
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