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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻6号

1989年06月発行

文献概要

症例

生検でTreponema Pallidumが証明された第2期胃梅毒の1例

著者: 西脇寛1 加藤俊夫1 伊藤佳之1 三浦力1 西村誠2 太田冒親3 吉村平4 北川達士5 日置図南5 松田彰6

所属機関: 1遠山病院外科 2遠山病院内科 3遠山病院検査室 4三重大学医学部中検病理 5三重大学医学部第2外科 6三重大学医学部放射線科

ページ範囲:P.693 - P.699

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要旨 39歳,女性が激しい心窩部痛,嘔吐を主訴として来院した.胃X線と胃内視鏡の所見では壁の伸展は良好であるが,胃体部より前庭部にかけて大小不同の粗大顆粒状変化と角部にやや深い不整形の潰瘍を認めた.生検所見で固有粘膜内にリンパ球と形質細胞浸潤が強く認められ,血清梅毒反応が陽性を示したことより,Warthin-Starry染色と螢光抗体法による検索を行った結果,Treponema Pallidumを胃粘膜組織中に証明した.第2期胃梅毒と確診し駆梅療法を行い,第2クール終了後血清梅毒反応は低下し,自覚症状も改善した.内視鏡所見では駆梅療法開始後約40日で角部の潰瘍は瘢痕化し,粘膜も全体に正常に復した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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