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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻6号

1989年06月発行

文献概要

症例

回腸inflammatory fibroid polypの1例

著者: 佐伯俊昭1 国延浩史1 新本稔1 服部孝雄1 板垣衛治2 吉田浩之3 佐田博3 中野実4

所属機関: 1広島大学原爆放射能医学研究所(臨床第2)外科 2県立瀬戸田病院外科 3昭和大学医学部第2内科 4市立伊勢総合病院消化器センター

ページ範囲:P.700 - P.704

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要旨 患者は60歳,男性.腹部膨満感と左側腹部痛で来院,腹部単純写真で小腸ガス像と鏡面形成を認めた.逆行性小腸造影で回腸末端から口側おおよそ2mの部位に腫瘤陰影と管腔の狭窄を認め,回腸腫瘍およびそれによる腸閉塞の診断で手術.開腹所見で回腸末端から口側約160cmの回腸に腸重積を認め,整復すると同部に鶏卵大の腫瘤を触れ,回腸部分切除を施行.腫瘤は大きさ3.5×4.0×4.Ocm,亜有茎性で腫瘤頂部は粘膜がほとんど欠損していた.組織学的には腫瘤は粘膜下層にあり,線維芽細胞,膠原線維,小血管の増生と多数の好酸球浸潤が認められ,inflammatory fibroid polyp(IFP)とした.本邦の小腸IFP報告例は本例を含めて19例で,そのほとんどが腸重積で発症していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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