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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻7号

1989年07月発行

文献概要

症例

酵素抗体法により胃生検組織中にTreponema pallidumを証明した胃梅毒の1例

著者: 辰己靖1 細川治2 山道昇3

所属機関: 1福井県立病院内科 2福井県立病院外科 3金沢医科大学病理

ページ範囲:P.803 - P.808

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要旨 38歳,男性.心窩部痛にて受診し,胃X線検査,胃内視鏡検査により胃体部から前庭部まで広範な網目状のびらんとその間に胃粘膜が大小不同の類円形を呈して島状に残存する所見を得た.X線所見では前庭部の伸展不良,内視鏡ではびらん面の苔が白色が強く,また送気により出血することが特徴的であった.血清梅毒反応が陽性で,抗潰瘍療法に抵抗し,胃生検で形質細胞浸潤が激しかった.胃生検のパラフィン包埋材料を用いて酵素抗体法を施行し,胃粘膜内にTreponema pallidumを証明し,胃梅毒の確診を得ることができた.胃梅毒の確定診断には感度が高く,容易である本法は広く推奨される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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