文献詳細
症例
文献概要
要旨 患者は45歳,女性,人間ドックで胃の異常を指摘され当院受診.皮膚,眼病変なく,胸腹部理学的所見に異常なし.一般血液生化学検査に異常なく,ツ反疑陽性.血沈,梅毒反応,ACEともに正常.胃X線,内視鏡検査で穹窿部に3か所の皺襞集中部を認め,その中央はわずかに陥凹し大小の結節もみられた.体部には粘膜下腫瘍様の小隆起を,また幽門部には胃潰瘍瘢痕様のひきつれ部を認めた.生検で各病変の粘膜固有層内に中心乾酪壊死を伴わない,類上皮細胞肉芽腫を多数認めた.注腸X線検査で回腸終末部まで異常なし.両側肺門リンパ節腫脹なく,経気管支肺生検も異常なかった.以上より胃に限局したサルコイドと診断した.cimetidine 400mg/日で経過観察中であるが,胃部症状なく,8か月後の胃X線検査では初回検査時と変化なかった.
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