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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻8号

1989年08月発行

今月の主題 腸のカルチノイド

主題症例

特異な転移様式を呈した直腸カルチノイドとS状結腸癌の併存例

著者: 正木忠彦1 武藤徹一郎1 久保田芳郎1 寺野彰2 森岡恭彦1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科 2東京大学医学部第2内科

ページ範囲:P.903 - P.908

文献概要

要旨 患者は61歳男性,階段昇降時の息切れを主訴に受診.注腸造影,大腸内視鏡検査で直腸に広基性ポリープおよびS状結腸に全周性の腫瘍を認めた.生検の結果,直腸病変はカルチノイド,S状結腸病変は腺癌であり低位前方切除術が施行されたが,直腸カルチノイドは同時性に肝転移を来しており喫状切除が行われた.更に,術後1年目にS状結腸癌の肺転移および直腸カルチノイドの再度の肝転移が発見され切除を受けた.直腸カルチノイドの報告例は近年急増しているが,他の悪性腫瘍を合併することや転移を来すことがまれならず見られるので厳重な経過観察が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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