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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻8号

1989年08月発行

文献概要

症例

術前検査で確診しえた十二指腸球部カルチノイド―somatostatinomaの1例

著者: 中西徹1 大森美和1 坂田泰昭1 竹内正2 辻村崇浩3 玉谷良忠4

所属機関: 1住友病院内科 2住友病院外科 3住友病院病理 4大阪管工健保センター

ページ範囲:P.950 - P.954

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要旨 術前に十二指腸ソマトスタチン産生腫瘍(somatostatinoma)と診断しえた極めてまれな1例を経験したので報告した.患者は59歳の男性で十二指腸前壁に径9mmのポリープを認め,頂部に陥凹とびらんがあり,生検でカルチノイドの診断を得た.また血清ソマトスタチンは高値(160pg/ml)でsomatostatinomaが疑われた。術後血清ソマトスタチンは正常化したことと,免疫組織化学で腫瘍内のソマトスタチン陽性を確認したことから本邦で4例目,術前に確診できたものでは第1例目の十二指腸somatostatinomaと考えられた.腫瘍は通常のカルチノイドと異なる腺管形成を呈する部分があり,浸潤は粘膜下組織まで及んでいた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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