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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻8号

1989年08月発行

文献概要

初心者講座 座談会 消化器疾患とUS・CT・12

Ⅴ.大腸 >その1<

著者: 牛尾恭輔1 中林正一2 洲之内広紀3 斎藤典男4 長廻紘5 松川正明6 村松幸男7

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2福岡大学筑紫病院内科 3東京大学第1外科 4千葉大学第1外科 5東京女子医科大学消化器病センター 6順天堂大学消化器内科 7国立がんセンター放射線診断部

ページ範囲:P.961 - P.965

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 牛尾(司会) 本日はお忙しいところをお集まりくださり,ありがとうございました.

 最近,消化管とCT,消化管とUSの絡みが出てきました.それには5つぐらいの理由があると思います.それは,①CTとUSは,肝臓,胆囊,膵臓といった実質臓器で有効な検査法として発達してきましたが,そのほかに急性腹症とか,圧痛が強い患者,腹痛の患者,または腫瘤が触れるような患者で,まずfirst choiceとしてUSまたはCTをされる施設が出てきています.②大腸はお腹の中を一周するかのごとく走行している臓器です.一方,小腸はその真中を占める重要な臓器です.こう考えると,腹部の面積の大部分を占めるのが腸だということになります.したがって,周辺の臓器の異常と腸管の異常をどのように鑑別するかという問題が生じている.③小腸,大腸には胃に比べて腫瘤や炎症性疾患の種類が多い.④外国の論文を読むと,炎症性疾患,例えばCrohn病とか,憩室炎とか,膿瘍とか,Fistelといった病変のCTやUSの写真が放射線科,または画像診断の雑誌でたくさん取り上げられている.⑤一方,日本のことを考えてみると,わが国では二重造影法が普及しているし,最近の内視鏡の進歩も目を見張るものがあって,世界をリードしているのは,みなさん方ご存じのとおりです.一般的に言えばX線と内視鏡は粘膜面を見る診断学ですが,US,CTは粘膜下層とか,周辺臓器の診断学に力を発揮するわけです.診断する場合にも疾患によっては粘膜面,腸壁,周辺の組織や臓器の情報も必要とされ,最近では総合画像診断という概念が生まれてきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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