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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻9号

1989年09月発行

今月の主題 胃粘膜下腫瘍の診断―現況と進歩

主題

胃粘膜下腫瘍の診断―超音波内視鏡による診断の進歩

著者: 相部剛1 野口隆義1 中田和孝1 藤村寛1 播磨健三1 林延彦1 柳井秀雄1 多田正弘1 富士匡1 沖田極1 竹本忠良2 石原得博3

所属機関: 1山口大学医学部第1内科 2東京女子医科大学消化器内科 3山口大学医学部第1病理

ページ範囲:P.999 - P.1008

文献概要

要旨 胃粘膜下腫瘍の診断において,従来からの画像診断を越えるEUSの長所は胃壁内の腫瘍像を明瞭に描出できることにある.胃粘膜下腫瘍の診断におけるEUSの有用性を明らかにするために,EUSで診断された40症例の胃粘膜下腫瘍と13症例の胃外圧迫における,X線および内視鏡検査の診断能を検討した.その結果,X線および内視鏡検査の正診率は胃粘膜下腫瘍の診断において88%(35/40例),胃外圧迫の診断において23%(3/13例)であった.次に,組織診断のついた胃粘膜下腫瘍18症例において,EUS所見から粘膜下腫瘍の組織診断が推定できるかどうかを検討した.その結果,EUS画像上における,腫瘍の内部エコーレベル,腫瘍と胃壁層構造との連続性,腫瘍の主病変の局在,腫瘍周囲の層構造の破壊性変化は腫瘍の組織の推定および良・悪性腫瘍の鑑別において大変重要な所見であった.更に,われわれはEUS画像を観察しながら3症例の胃粘膜下腫瘍の生検を試み,1例において成功した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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