icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻9号

1989年09月発行

文献概要

今月の主題 胃粘膜下腫瘍の診断―現況と進歩 主題

胃粘膜下腫瘍の病理鑑別診断の進歩―特に免疫組織化学的手法による鑑別診断

著者: 廣田映五1 木庭郁朗1 大野博之1 板橋正幸1 山内ゆう子1 西川元野1 笹子三津留2 山田達哉3 小黒八七郎4

所属機関: 1国立がんセンター研究所病理部 2国立がんセンター病院外科 3国立がんセンター研究所放射線診断部 4国立がんセンター研究所内視鏡部

ページ範囲:P.1019 - P.1029

文献購入ページに移動
要旨 粘膜下腫瘍の中では非上皮性腫瘍が多く,組織学的には紡錘形細胞の形態をとり病理組織診断上,鑑別が困難であることがある.近年,免疫組織化学的染色法が開発され,細胞の細胞骨格や産物組成の中の物質を特定することができるようになった.この方法は,特定の物質を抗原として抗体を作り,この抗体にペルオキシダーゼを結合させたもので,抗原抗体反応により微量定性的な手法で染め出すものである.その方法はperoxidase anti-peroxidase complex(PAP)法であるが,また二次抗体以後の反応にレクチンを用いたアビチン・ビオチンcomplex(ABC)法などが考案され,これは感度も高く,著しく応用範囲が拡がった.現在,消化管の粘膜下腫瘍の鑑別によく利用されている抗体は,vimentin,desmin,S-100蛋白,neuron-specific enolase(NSE)などの抗体である.これらの抗体を用いた免疫組織化学的染色性は筋原性か神経原性腫瘍かの鑑別に有用であることを述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら