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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻9号

1989年09月発行

文献概要

研究

胃リンパ腫および類縁疾患―病態からみた診断上の問題点

著者: 種広健治1 吉井由利2 紀藤毅3 須知泰山4

所属機関: 1県立愛知病院内科 2愛知県がんセンター病院消化器内科 3愛知県がんセンター病院消化器外科 4愛知県がんセンター病院臨床検査科

ページ範囲:P.1069 - P.1075

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要旨 胃リンパ腫および類縁疾患は胃癌と同様,多彩な形態をとる.早期胃癌分類,進行胃癌分類で表現できるそれらをそれぞれⅠ群(17例),Ⅱ群(28例)とすると,両者の病態には明らかな差異が認められた.Ⅰ群には4個以上の多発病巣が広範囲に散在する例があった.生検上は至適部位から挫滅の少ない大きな組織を採取することのほか,Ⅰ群では異型度の判定における病理組織像の解釈が問題となった.Ⅱ群はdiffuse,large cellが多いのに比べ,Ⅰ群はgradeの低い細胞型が多かった.また,Ⅰ群はm,sm例が多くリンパ節転移は少なかった.Ⅰ群は表在型あるいは表層型リンパ腫あるいはリンパ腫類縁疾患,Ⅱ群は大小の潰瘍を伴う腫瘤形成型で古典的なリンパ腫で,Ⅰ群とⅡ群がお互いに移行し合うものか,全く独立したdisease entityなのか診断学上も大変興味深い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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