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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻1号

1990年01月発行

文献概要

今月の主題 上部消化管X線検査の現状の反省と将来―検査モデルを求めて 主題

早期食道癌の拾い上げの反省と対策

著者: 八巻悟郎1 白壁彦夫2 七海暁男1 福地創太郎3 秋山洋4 鶴丸昌彦4 海上雅光5 原満5 確井芳樹6

所属機関: 1虎の門病院放射線診断学科 2早期胃がん検診協会 3虎の門病院消化器科 4虎の門病院消化器外科 5虎の門病院病理学科 6順天堂大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.13 - P.25

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要旨 食道の早期癌をep癌とmm癌だけに限定し,切除材料で,まず単発病変と多発病変に分け,各々の部位と大きさから,X線診断と内視鏡診断とを比較検討した.そして,X線診断の立場から,ep癌とmm癌のX線診断能,診断限界を検討した.単発のep癌16病変,mm癌21病変でみると,初回にX線検査を受けた例では,Ⅰ型とⅡa型(隆起型)の診断は良かった.しかし,Ⅱb型とⅡc型(平坦型と陥凹型)の診断は良くなかった.ep癌はすべて見逃したが,mm癌の中には診断できた例もあった.ep癌とmm癌のX線所見の差は辺縁の異常所見の程度にあることがわかった.以上から,mm癌はX線検査で十分に発見できると思う.部位からみると,Ph-Ceの診断はX線検査でも内視鏡検査でも困難で,いま大きな課題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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