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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻1号

1990年01月発行

文献概要

今月の主題 上部消化管X線検査の現状の反省と将来―検査モデルを求めて 主題

進行胃癌を見逃さない検査法

著者: 西澤護1 野本一夫1 細井董三1 岡田利邦1 山田耕三1 志賀俊明1 大倉澄子1 潮崎明1 下野健治1 蓮尾友伸1 岡野憲儀1 渡辺明1 大村秀俊1

所属機関: 1東京都がん検診センター

ページ範囲:P.49 - P.58

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要旨 当センターにおいて,X線検査→内視鏡検査という診断過程の中で発見された進行胃癌は306例あり,そのうち見逃し例は9例(X線7例,内視鏡2例)あった.また,約4,000人の同一集団の8年間の逐年検診で発見された胃癌46例のうち進行癌は6例あり,前回の検査で見逃されている(X線4例,X線・内視鏡1例,生検誤診1例).これらの見逃し例の検討から次のような結論を得た.①X線の見逃しは胃上部,前壁およびⅡc類似が多く,内視鏡の見逃しはlinitis plastica型癌が多い.②見直し診断では検査不良と読影不注意がほとんどを占める.胃上部および前壁撮影改善のために,高濃度バリウムの開発が急がれる.③逐年検診では,内視鏡の巧みな組み合わせが早期癌発見率を高め,進行癌の見逃しを少なくする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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