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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻10号

1990年10月発行

今月の主題 中垂腫瘤

主題

虫垂腫瘤診断における画像診断の役割

著者: 石川勉1 牛尾恭輔1 縄野繁1 大村卓味1 山田達哉1 吉田茂昭2 森谷宜皓3 北条慶一3 板橋正幸4 広田映五4

所属機関: 1国立がんセンター病院放射線診断部 2国立がんセンター病院内科 3国立がんセンター病院外科 4国立がんセンター病院研究所病理

ページ範囲:P.1143 - P.1154

文献概要

要旨 術前検査が施行され組織学的に検索された虫垂の腫瘤形成性疾患16例を対象に,各種画像診断法の有用性について検討した.虫垂切除歴のない全例において注腸X線検査(BE)では虫垂は造影されず,大腸内視鏡検査(CF)で虫垂開口部は確認できなかった.結腸型虫垂癌2例はBEとCFで悪性所見が認められ,うち1例は生検でGroup Vであった.粘液瘤7例はBEとCFで粘膜下腫瘍に極めて類似した像を呈し,盲腸内腔への突出が目立つ3例では“はち巻きひだ”が認められた.これに対して,CTと超音波検査(echo)は粘液瘤診断に極めて有効であり,境界明瞭な薄壁で囲まれた囊胞像を呈し,更にBEとCFでは指摘困難な腹膜偽粘液腫の合併を描出できた.虫垂周囲膿瘍はBEとCFでは盲腸の変形や圧排所見が認められ,CTでは石灰化や索状影がみられたが,1つの検査法による虫垂周囲膿瘍の診断は困難であった.翻転虫垂切除断端では病歴の確認が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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