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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻10号

1990年10月発行

文献概要

今月の主題 中垂腫瘤 主題

外科からみた回盲部腫瘤における虫垂腫瘤の実態―腫瘍性病変について

著者: 山口晃弘1 真弓俊彦1 磯谷正敏1 蜂須賀喜多男1

所属機関: 1大阪市民病院外科

ページ範囲:P.1169 - P.1176

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要旨 虫垂腫瘤のうちではカルチノイド,粘液囊胞腺腫,粘液囊胞腺癌,腺癌の頻度が高く,その他の腫瘍性病変は極めてまれである.大垣市民病院外科で過去10年間に経験した虫垂腫瘍は14例で,虫垂切除術あるいは結腸右半切除術を施行した4,654例の0.3%にあたった.虫垂腫瘍の内訳は粘液囊胞腺腫5例,粘液囊胞腺癌1例,カルチノイド2例,腺癌5例,悪性リンパ腫1例であり,これらの症例を中心に,虫垂腫瘤の診断,治療,予後について文献的考察も加えて述べた.虫垂腫瘤はUS,CTなどを用いてその存在診断は可能なことが多いが,質的診断は困難である.このため術前に治療方針を決定することは難しいが,良性腫瘍や小さいカルチノイドは虫垂切除術を,悪性腫瘍や1cmを越すカルチノイドは結腸右半切除術を行う方針がよいと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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