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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻10号

1990年10月発行

文献概要

今月の主題 中垂腫瘤 主題研究

外科切除虫垂2,169例の臨床病理学的検索

著者: 岩下明徳1 山田豊1 八尾建史12 有田正秀12 高崎二郎12 津田純郎12 八尾恒良2 八尾隆史3 佐田正之4

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理 2福岡大学内科・消化器科 3九州大学医学部第2病理 4佐田病院

ページ範囲:P.1185 - P.1194

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要旨 切除虫垂2,169例について,臨床病理学的立場から検討した.急性・亜急性虫垂炎の診断のもとに切除された1,943例の病理診断は,①著変なし群444例(22.9%),②急性虫垂炎微小変化群727例(37.4%),③急性蜂窩織炎性虫垂炎群649例(33.4%),④急性壊疽性虫垂炎群73例(3.8%),⑤亜急性虫垂炎群4例(0.2%),⑥慢性虫垂炎群46例(2.7%)の6群に分類された.この6群の平均白血球数はそれぞれ10,613.2,10,265.8,15,170.5,16,3319,8,875.0,12,286.5/mm3であり,①②群と③④群の間,⑥群と③④群の間には有意差が認められた.2,169例中,合併ないし偶発病変として10例(0.46%)にカルチノイド,9例(0.41%)に類上皮細胞性肉芽腫,8例(0.37%)に壊死性動脈炎がみられた.以上の結果をもとに,臨床診断と病理診断の異同,白血球数と病型との相関および合併ないし偶発病変についての考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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