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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻10号

1990年10月発行

今月の主題 中垂腫瘤

主題症例

虫垂進行癌の1例

著者: 五十嵐達紀1 長廻紘2 小川佳子1 渡辺和義1 北畠慈郎1 秋本伸1 羽生富士夫1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器センター外科 2東京女子医科大学内視鏡科

ページ範囲:P.1199 - P.1202

文献概要

要旨 colonic typeの虫垂癌で回腸に内瘻を形成し,術前の諸検査で強く疑い切除標本で確診を得た症例を経験した.患者は62歳女性で右下腹部痛,血便を主訴として来院した.注腸造影検査で盲腸に陰影欠損,回腸末端に辺縁不整・狭窄および浅い潰瘍を認め,回腸盲腸間に瘻孔が形成されていた.大腸内視鏡検査では盲腸盲端部にBorrmann 2型様の腫瘤を認め,生検で腺癌と診断された.右半結腸切除術および右卵巣摘出術を施行した.摘出標本の詳細な病理組織学的検査で,先端部と思われる破壊されていない虫垂組織を認め,その粘膜に乳頭管状腺癌の増殖があり原発性虫垂癌と診断した.術後5年経過したが再発の兆候なく健在である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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