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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻10号

1990年10月発行

文献概要

今月の主題 中垂腫瘤 主題症例

経過観察しえた良性虫垂粘液瘤の1例

著者: 三富弘之1 勝又伴栄1 小林清典1 山本佳正1 五十嵐正広1 西元寺克禮1 工藤康生2 比企能樹2 瀬川謙一3 本告匡3 中英男3

所属機関: 1北里大学医学部東病院内科 2北里大学医学部東病院外科 3北里大学医学部東病院病理

ページ範囲:P.1203 - P.1208

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要旨 患者は34歳,男性.右下腹部痛を主訴に来院.注腸造影で盲腸下極に比較的軟らかい粘膜下腫瘍がみられたが,虫垂は造影されなかった.内視鏡では粘膜下腫瘍の中心に虫垂入口部を同定しえた.腹部超音波検査で内部に微細な反射像をもった低エコー性囊胞性腫瘤像がみられた.以上より虫垂粘液瘤を疑い,手術を施行した.虫垂内腔および壁内に粘液が貯溜しており,組織学的には粘液を産生する上皮細胞に腫瘍性変化はみられず,良性粘液瘤と診断した.患者は本症と診断される約2年前から大腸ポリープにより注腸造影,内視鏡検査で経過観察されており,腫瘤の増大を確認できた興味ある1例と思われ報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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