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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻10号

1990年10月発行

文献概要

今月の主題 中垂腫瘤 主題症例

2年6か月の経過を観察した虫垂粘液囊腫の1例

著者: 横山善文1 伊藤誠1 安江直二1 岩井彰1 石川進1 岡山直司1 川合孝1 松葉周三1 加藤直也1 武内俊彦1 平野朝光2 小塚正雄2

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第1内科 2名古屋市立城西病院内科

ページ範囲:P.1214 - P.1218

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要旨 2年6か月間経過観察した虫垂粘液囊腫の1例を報告した.患者は73歳,男性.腹痛,下痢を主訴に来院.注腸X線検査で盲腸末端に径3cmの円形腫瘤像を認め,内視鏡検査では頂部に黄白色の膿苔が付着した半球状隆起がみられた.抗生剤投与でいったん腫瘤像は消失したが,その後腹痛,炎症反応の反復と共にX線的に虫垂重積様所見が繰り返し観察された.切除標本で壁肥厚と内腔にゼラチン様物質が貯溜した虫垂の腫大が認められ,病理組織学的に良性虫垂粘液囊腫と診断された.本症例では虫垂粘液囊腫に炎症反応が繰り返されたことによりX線像が経時的に変化したと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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