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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻10号

1990年10月発行

文献概要

今月の主題 中垂腫瘤 主題症例

生検施行時に排膿をみた盲腸周囲膿瘍の1例

著者: 櫻井俊弘1 北原健二1 王恒治1 有馬純孝2 二見喜太郎2 岩下明徳3 山田豊3 八尾恒良1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学筑紫病院外科 3福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.1219 - P.1223

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要旨 患者は47歳,女性.主訴は右下腹部鈍痛.同部に5×8cmの腫瘤を触知した.大腸X線検査で盲腸は全周性の伸展不良が認められspring coil様であり,虫垂は描出されなかった.腹部超音波およびCT検査では境界が不鮮明で,内部が不均一な腫瘍として描出された.虫垂炎に起因する盲腸周囲膿瘍を疑い内視鏡検査を行った.盲腸に発赤調の隆起を認め,一部に黄白色の液状物が付着,生検で膿汁の流出が認められた.膿の細菌培養でPeptostre Ptococcasが検出された.抗生剤を投与したところCT検査で腫瘍は縮小した.以上より盲腸周囲膿瘍と診断した.根治的治療のため回盲部切除を行った.盲腸周囲膿瘍に対して内視鏡的に排膿が認められた症例は本邦で3例目であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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