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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻10号

1990年10月発行

今月の主題 中垂腫瘤

主題症例

虫垂入口部に粗大顆粒状隆起を形成し盲腸周囲炎を併発した線維形成性虫垂炎の1例

著者: 三谷郁生1 丸山雅一1 小泉浩一1 坂谷新1 中島聰總2 加藤洋3

所属機関: 1癌研究会付属病院内科 2癌研究会付属病院外科 3癌研究会付属病院病理

ページ範囲:P.1231 - P.1235

文献概要

要旨 患者は55歳,男性.右下腹部痛および右下腹部腫瘤,発熱を主訴として来院.注腸X線検査で上行結腸の限局性収縮と比較的狭窄があり線状潰瘍を認めた.更に盲腸底部に径2cmの粗大顆粒状隆起が見られた.大腸内視鏡検査では,上行結腸の比較的狭窄部位に線状潰瘍を伴った敷石状所見がみられ,回盲弁に接し虫垂入口部と思われる部位に粗大顆粒状隆起を認めた.生検で悪性所見は得られなかったが,虫垂癌を否定しえず,回盲部切除術を施行した.切除標本の病理組織学的所見では,虫垂入口部に糞石があり,盲腸から上行結腸の粘膜下に著しい線維化が認められた.粗大顆粒状隆起は,非腫瘍性の粘膜隆起であり,Lawenの言う線維形成性虫垂炎および盲腸周囲炎と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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