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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻11号

1990年11月発行

文献概要

今月の主題 直腸のいわゆる粘膜脱症候群 主題

直腸粘膜脱症候群の内視鏡診断

著者: 長廻紘1 佐藤秀一1 村田洋子1 飯塚文瑛1 屋代庫人1 大原昇1 馬場理加1 長谷川かをり1 金丸洋2

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター 2至聖病院

ページ範囲:P.1283 - P.1294

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要旨 11例の直腸粘膜脱症候群(MPS)を内視鏡的に検討した.症例は若い女性に多く,症状は直腸出血と便通異常であった.内視鏡像は潰瘍形成の明らかなものと,潰瘍のないものに2大別できた.潰瘍は浅くて平坦,境界は明瞭.潰瘍底は白苔に覆われ,白苔は薄くて底の一部が露出しているものと,比較的厚いものと,辺縁部は平坦なものと,盛り上がっているものとがあった.非潰瘍型のものは粘膜の発赤を主体にしたものであったが,限局性のものとやや拡がりのあるもの(全周性を含む)とがあった.発赤型のものでは経過中にびらんの出現・消褪がみられた.そのほかに隆起の集積したポリポイド型が1例あった.自験例には乏しいが,MPSとの関連で重要なcolitis cystica profunda(CCP)3例の内視鏡像を呈示してその特徴につき述べた.また,MPS,CCPと鑑別を要する疾患についても述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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