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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻11号

1990年11月発行

今月の主題 直腸のいわゆる粘膜脱症候群

主題

mucosal prolapse syndromeの病態と治療

著者: 東光邦1 隅越幸男1 岩垂純一1 小野力三郎1 黄田正徳1 山本清人1 吉永栄一1 奥田哲也1 北村成大2

所属機関: 1社会保険中央総合病院大腸肛門病センター 2社会保険中央総合病院大腸肛門病センター病理

ページ範囲:P.1295 - P.1300

文献概要

要旨 mucosal prolapse syndrome(MPS)は孤立性潰瘍症候群や深在囊胞性大腸炎などと同じ範疇に入る疾患であり,直腸の粘膜が重積あるいは脱出することにより直腸の粘膜に潰瘍あるいは隆起性病変を形成する.病理組織学的には粘膜固有層にfibromuscular obliterationを認めることを特徴とする.defecographyを行うと,MPS群は正常群に比べ怒責時に肛門直腸角の開大が小さく,排便困難は骨盤底筋群の強い緊張のためと思われ,その結果,強い“息み”を引き起こし,粘膜脱を起こすことが想像された.治療は排便習慣の改善が第一で,隆起型の病変や著明な粘膜脱に対しては粘膜縫縮や切除が有効である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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