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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻11号

1990年11月発行

文献概要

今月の主題 直腸のいわゆる粘膜脱症候群 主題研究

小児のmucosal prolapse syndrome―本邦若年者報告例の集計をもとに

著者: 北谷秀樹1 梶本照穂1 小沼邦男1 南部澄1 小西二三男2

所属機関: 1金沢医科大学小児外科 2金沢医科大学第1病理

ページ範囲:P.1312 - P.1318

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要旨 自験例2例を含む若年者(19歳以下)の直腸の粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome;MPS)42例の本邦報告例の集計をもとに,臨床病理学的な検討を加えた.最年少例は7歳で15歳を頂点とする発症がみられた.性別は男31例女11例であった.主訴は血便が最も多く91%にみられ,次いで粘液便もしくは粘血便(31%)がみられた.息みは85%にみられたが,直腸の粘膜脱は記載があるもののうち31%のみであった.病変の肉眼形態は隆起型が85%,潰瘍型が15%であった.発生部位は前壁40%,全周性27%,前側壁18%,側壁,後壁の順であり,下部直腸に存在していた.発生病理を念頭に置いた治療が望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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