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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻11号

1990年11月発行

今月の主題 直腸のいわゆる粘膜脱症候群

主題研究

組織学的に粘膜脱症候群に類似する大腸ポリープの臨床病理学的検討―inflammatory myoglandular polypの提唱

著者: 中村真一1 喜納勇2 赤木忠厚3

所属機関: 1浜松医科大学付属病院病理部 2浜松医科大学病理学第1講座 3岡山大学医学部病理学第2講座

ページ範囲:P.1319 - P.1327

文献概要

要旨 既存の分類には当てはまらない大腸の孤立性,有茎性ポリープ28例の臨床病理学的検索を行った.患者は15歳から78歳で平均年齢は53歳であった.男性に多く,左半結腸,特にS状結腸に発生する.症状は出血または潜血だが半数以ヒの患者では特別の症状はなかった.内視鏡では平滑で発赤のある孤立有茎性ポリープであった.組織学的には直腸下部・肛門部に発生する粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome;MPS)に類似していた,このポリープの臨床病理学的特徴を明らかにすると共に,MPSや他の既存の大腸ポリープとの鑑別を行った.原因は不明であるが,慢性の刺激がこのポリープの成因に関与していることが推測された.粘膜固有層の肉芽性炎症,線維筋症および過形成性腺管が組織学的特徴で,したがってこのポリープの名称をinflammatory myoglandular polypとすることを提唱した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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