icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻11号

1990年11月発行

--------------------

書評「大腸癌の構造」 フリーアクセス

著者: 丸山雅一1

所属機関: 1癌研究会附属病院・内科

ページ範囲:P.1330 - P.1330

文献概要

 この本の書評を時期はずれの今ごろになって書いたことにはそれなりの理由がある.1988年は私にとって心穏やかでない年だった,そのころまで,“大腸の無茎性で10mm台の隆起性病変の91%は早期癌である”という自説に修正が必要とは考えていなかった.そして,その自説は私が本書の著者である中村から受けた啓示みたいなものに支えられていたのである.

 ところが,その年,新しい資料で論文を書くべくポリペクトミー材料を整理し,肉眼形態と病理の診断をつき合わせてグラフを作成したところ,自説はほとんど崩壊の憂き目をみた.1973年から15年間のデータをインプットして作成したグラフは,無茎性で10mm台の早期癌の割合は53%と無残な数字をはじき出していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら