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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻11号

1990年11月発行

文献概要

今月の主題 直腸のいわゆる粘膜脱症候群 主題症例

誤診を免れた直腸のいわゆる粘膜脱症候群の1例

著者: 服部了司1 高橋慶一2 高橋孝2 滝澤登一郎3 田島強4

所属機関: 1服部胃腸科 2東京都立駒込病院外科 3東京都立駒込病院病理科 4東京都立駒込病院内視鏡科

ページ範囲:P.1335 - P.1338

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要旨 患者は31歳の男性で,直腸前壁に注腸X線検査で中央陥凹を伴ったⅡa+Ⅱc様病変,およびその口側にⅡa様の微小隆起性病変数個を認めた.内視鏡検査によってX線像によく対応した所見があり,生検の結果,粘液産生の著しい分化型腺癌が強く考えられるとして,Group4の報告を受けた.手術目的で他病院に紹介したが,再検した内視鏡の生検病理組織診断の結果,solitary ulcer syndromeの範時に属する炎症性隆起性病変とされ,悪性が否定され手術が中止された.実地医家として,本疾患が臨床のpitfall(陥穽)であることを実感したので,報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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