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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻11号

1990年11月発行

今月の主題 直腸のいわゆる粘膜脱症候群

主題症例

直腸の粘膜脱症候群の3例

著者: 斉藤裕輔1 岡村毅與志1 北守茂1 横田欽一1 小原剛1 柴田好1 並木正義1

所属機関: 1旭川医科大学第3内科

ページ範囲:P.1347 - P.1352

文献概要

要旨 直腸の粘膜脱症候群(MPS)の潰瘍型2例,癌の併存をみた隆起型1例を報告した.潰瘍型の2例は共に排便時にstrainingの習慣があり,潰瘍性大腸炎として治療されていた.隆起型では排便習慣の異常はみられなかった.潰瘍型,隆起型いずれも病変は直腸下部前壁を中心に存在していた.EUSで潰瘍型は粘膜下層に及ぶ潰瘍エコーと粘膜下層内のmicrocystic lesionの所見を認めたが,隆起型MPSでは通常のポリープと同様の所見であった.また隆起型の例ではMPSと粘膜内癌の併存を認めた.日常診療において,常にMPSを念頭に置き,排便習慣についてよく聞きただすこと,また画像診断で病変が直腸前壁を中心に存在することが確かめられればMPSの診断に役立つと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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