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文献詳細

雑誌文献

胃と腸25巻11号

1990年11月発行

文献概要

今月の主題 直腸のいわゆる粘膜脱症候群 主題症例

著明な隆起性変化を示した孤立性直腸潰瘍症候群の1例

著者: 小西文雄1 武藤徹一郎2 小林順弘3 香積京子3

所属機関: 1自治医科大学消化器一般外科 2東京大学医学部第1外科 3関東労災病院外科

ページ範囲:P.1353 - P.1356

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要旨 著明な隆起性変化を呈した孤立性直腸潰瘍症候群の1例を報告する.患者は24歳女性.主訴は血便,脱肛,排便困難である.注腸造影,大腸ファイバースコープ検査で下部直腸前壁中心に著明に隆起した病変を認め,腫瘍性病変が疑われた.生検組織標本で上皮に腫瘍性異型はなく粘膜固有層にfibromuscular obliterationが認められたため,孤立性直腸潰瘍症候群と診断された.出血や脱出などの症状を軽快させる目的で,病変の局所切除を施行した.本疾患において著明な隆起を呈する場合には内視鏡所見によって的確な診断を下すことは困難であり,生検組織標本の所見が正しい診断を下すうえに重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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